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人文科学研究科 哲学専攻
入試情報
概要
大学院入試は、秋(博士前期課程:9月末前後)と春(博士前期課程・後期課程:2月下旬)に行われます。年度によって変化がありますので、日程などの正確な情報については、下記の要項からたどれる本学のページでよく確認して下さい。ここでは、そのページや「入試要項」の冊子には書かれない点について、我々の希望もふくめて、いくらかの情報をお知らせします。
選考基準
本専攻の大学院入試においては、「自分なりに研究対象があり、それに実際に取り組めるかどうか」という点が、もっとも重視されます。スタッフの立場から言い換えるなら、本専攻で過ごす時間があなたにとって本当に実りあるものになって欲しい、それを実りあるものにできる方に入学してきて欲しい、ということです。それ以外の点、例えば出願者の出身校や出身学部、その他の経歴などは、評価に一切関係しません。
試験の構成と着眼点
「入試要項」に記してあるように、本専攻の入学試験では、まず「哲学史および思想史」、「外国語原書読解」(2カ国語)そして「論文」という課題が与えられます。
哲学史および思想史
「哲学史および思想史」では、限られたスペースの中で正確な知識を示すことが求められます。古代から現代にわたる東西の哲学史・思想史上の基本的な知識を問うもので、これについては各種の哲学事典などを用いたりしながら、さまざまな準備が可能であることでしょう。具体的には、哲学や宗教思想に関するおよそ十数個の専門用語や人名、書名などが与えられ、そこから5つ選んで適切な説明をすることを求められます。自分の専門分野はもちろんですが、それ以外の事項についても、一定の知識を持っていることが要求されます。
外国語原書読解
「外国語原書読解」では哲学的なテキストの正確な翻訳読解が求められます。研究上の必要性という観点から2カ国語が課されていますが、ここで重視されるのは複数の外国語に堪能であるということよりもむしろ、出願者が選んでいる研究対象と語学力とがきちんと一致しているという点です。例えばドイツ語圏の哲学者を研究するつもりであればドイツ語の、中世仏教思想を研究するのであれば漢文の読解力が、2つの言語の中でもより重視されるということです。具体的には、直接関係する言語の「原典講読」の点数は1.5倍に、あともう1つの外国語の点数については半分に、それぞれ換算され、合計されるという傾斜配点の扱いがなされています(この割り振りについては、出願者の研究テーマに照らしてこちらで適切に行います)。これはもちろん、進学後の研究がしっかりと原典を踏まえたものとなるか、という点の評価に関わるためです。専門に直接関わらない言語を軽視するという意味ではありませんが、まずは研究対象に即した語学力を身につけることが大事になるわけです。
論文
「論文」では、ある大きなテーマないしタームが一つ示され、それについてあなたが自分自身の観点からどのように論じるかが試されます。哲学史的知識も用いながら、そこにあなたがどのような哲学的問題を捉えることができるか、そしてそれに対する見解をどう自分の文章で筋道立てて表現できるか──そのような点が見られることでしょう。
我々教員は、以上の筆記試験を踏まえつつ「口述試験」(面接)に臨みます。単なる点数には現われにくい受験者の意欲や潜在的能力をじかに確かめるためのものです。その後、教員は全員で丁寧な検討と意見交換を行い、本専攻への入学者を決定しています。
なお「入試要項」には、出願に際しての必要書類として「卒業論文、ないしそれに代わる論文」といった規定があります。これについては、あなたが哲学思想上のどのようなテーマに関心を持っており、そしてそれにどのような方法でアプローチしているのかについて教員が正確に把握するための資料として考えて下さい。
秋の博士前期課程入試に関しては、すでに卒業大学で卒論ないしそれに準ずるものを書いた場合には、それを提出してください(まだ書いていない場合、また目下執筆中である場合には、提出する必要はありません)。これに対して春の博士前期課程入試では、論文提出は必須となります。出身大学や出身学科で「卒業論文」を求められなかった場合、あるいは以前に執筆した「卒業論文」が哲学や思想史以外の分野のものであった場合には、現在の問題意識や予定研究テーマを示す論文を執筆して、これを必ず提出して下さい。
より詳しい情報について
大学院入試については、哲学専攻教員による説明会が年に1回ないし2回(夏、秋)開催されます。説明会の詳細については、当ページだけでなく、文学部・人文科学研究科のホームページならびにアドミッションセンターのホームページでも告知されます。みなさんの率直な質問に教員がじかにお答えできる機会ですので、遠慮なくご参加下さい。
なお、過去の入試問題については、大学のアドミッションセンターで過去三年間のものを参照・コピーすることができます。
要項
以上は、「入試要項」上では説明しきれない具体的な点に関してあえて哲学専攻から加えた「補足」です。大学院出願の正式な規定については、アドミッションセンターからの情報と「入試要項」を必ずご確認下さい。