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  • 文学部哲学科
  • 哲学専攻

小島 和男 KOJIMA Kazuo

ギリシア哲学 / 教授

1976年生まれ

略歴

1998年3月 学習院大学文学部哲学科 卒業
2004年3月 学習院大学人文科学研究科哲学専攻博士後期課程 単位修得退学
2004年4月 学習院大学文学部哲学科助手に就任
2006年3月 博士(哲学)取得(於:学習院大学)
2009年4月 学習院大学文学部哲学科准教授
2019年4月 学習院大学文学部哲学科教授に着任

研究テーマ

プラトンのテクストの研究から私の研究生活は始まりました。所謂、哲学史研究です。その後、ハイデッガーを経て、脱構築の思想やフェミニズム、また反出生主義などの現代の倫理学を学び(研究しているとまでは言えません)、自分もそれまで持っていた姿勢、西洋哲学史の持つ「哲学」という言葉を大事にし有難がる非常にミソジニックでヘゲモニックな姿勢を忌み嫌うようになりました。自己嫌悪です。
とはいえ、ギリシア語とラテン語自体は好きなので、プラトンやミドルプラトニストの作品を主に研究しております。

所属学会

日本うどん学会、日本西洋古典学会、日本哲学会、日本倫理学会、古代哲学会、日本生命倫理学会、宗教哲学会、地中海学会、美学会、学習院哲学会

著書及び主要論文

  • 著書
    ・『プラトンの描いたソクラテス』(晃洋書房 2008)
    ・『面白いほどよくわかるギリシャ哲学』(共著、日本文芸社 2008)
    ・『西洋哲学の10冊』(共著、岩波ジュニア新書 2009)
  • 主要論文
    ・「クレイトポンへの回答―『クリトン』におけるソクラテスの正義」
      (2003年 『学習院大学人文科学論集』第12号)
    ・「一九六四年の「アレーテイア」」(2004年 『実存と歴史』実存思想論集XIX)
    ・「「線分の比喩」について」(2005年 学習院大学文学部『研究年報』第51輯)
    ・「プラトンは「魅惑の歌」を歌っているか?」
      (2008年 学習院大学哲学会『哲学会誌』第32号)

講義・演習

2年次演習A:プラトン『ソクラテスの弁明』講読
哲学講義:ベネターの反出生主義について
哲学演習(大学院):西洋古代哲学原典研究
哲学ⅠB(基礎教養科目):何をしてはいけないのか
哲学ⅡB(基礎教養科目):ソクラテスから考えよう

趣味・特技等

料理は趣味ですが、家庭での役割分担でもあります。とはいえ大学の仕事より楽しいし、息抜きや気分転換にはなっています。あとは筋トレとサウナ。サウナの方は資格も持っていて、特技とも重なりますが、熱波師(日本サウナ熱波アウフグース協会熱波師検定A認定)、日本サウナスパ協会サウナ・スパプロフェッショナル(管理士)およびサウナ・スパ健康士でもあります。猫についての活動というか諸々の実践は、倫理学の研究にも関わりますし、趣味というより義務です。
諸々、X(旧Twitter)を見て頂けるとありがたいです。

文学部で/私のゼミで学ぶ人たちへ

解説本や訳本を読んだりして満足するのではなく、その人の書いた言葉に直接触れたいという欲求を持って欲しいと思っています。プラトンで言えば約2500年前の人ですから、伝わっているテクストが本当にプラトンの書いたそのままかは確定できません。でも、なるべく、その人本人に近付く努力をしたいと思ってほしいのです。例えば、誰かがAさんについて話していて、それだけを聞いて、Aさんには会おうともせずその人への評価を下してしまうのは誠実なことではありませんよね。同じように、解説本や訳本を読んで、ある哲学者について語ったり評価したりするのは、決して良いことではないのです。
語学という壁は大変かもしれませんが、古典を原典で読めるというのは気持ちがいいものです。また、母語でない言語で読むため、一つ一つの単語にこだわって丁寧に大切に読んでいくということに自然となります。それは相手の言葉を丁寧に聞くことにつながります。たぶんそれは、自分で何かを考えるとか、そういうことの前に絶対に必要なことだと思うのです。
また、大学というのはハラスメントの多い場です。そして、学習院大学にはそれを訴える適切な機関がありません。私自身は日々アップデートを心掛け、これまで犯してきた罪は消えないという後悔とともに、非常に気を付けてはいます。しかし、それが不十分であるという不安は、自分が色々な意味でマジョリティであり権力者であるという自覚とともに全くぬぐい切れません。その為、皆様におかれましては、何かがあった場合、勿論私が加害者である場合も含め、外部(法テラス、みんなの人権110番)への相談も初手から選択肢に入れて頂けると幸いです。

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